Hidetchiさんのマイノート

上手の△9九角成の変化と、その対策についての研究

研究 | 閲覧数: 862 | 作成: 2015/05/06 | 更新: 2015/05/06 09:59

テーマ図

飛車落ちの右四間飛車定跡で△5五角と打ったこの局面で、ここでの定跡手は▲5六歩とされています。「どうぞ香車を取って下さい」という強気の手ですが、△9九角成には▲8八銀で馬が死ぬので上手は△3七角成とする、というものです。

△9九角成は大変

しかし本当に△9九角成は大丈夫なのでしょうか。実際調べてみると、相当難しいことが分かります。△9九角成▲8八銀には、その瞬間に△4五香!があります。▲7九飛はやむをえませんが、以下△8八馬▲同玉に△9五歩。▲同歩と取るのは△8三桂が味が良いので、先に▲7五歩△同歩を入れてから▲9五歩と取っておいてどうかという感じです。
この展開は、瞬間的には馬が働かず、また飛車も捌けないまま右辺は香車に抑えられており、玉頭戦で上手と真っ向勝負という形になってしまっています。本当に正しく指せば、この玉頭戦を制することは出来るのかもしれませんが、上手相手に挑みたい変化ではありません。

研究: △5五角の別の対策

それで少し考えていたアイデアがあります。

▲8八角型を利用する

下手右四間飛車定跡には、スタンダードな▲7七角型と、もうひとつ▲8八角型があります。この二つの基本図は、角の位置だけが違うように見えますが、前者は上手番、後者は下手番です[1] 。▲7七角型はここから上手に様々な変化がある一方、▲8八角型は下手から一手早く仕掛けられるため上手の陣形が限定されやすい、というものです。ただし、△6五歩を突いてくれていないので、上手にも別の対抗手段があり、これも簡単ではありません。

▲9八香

この▲8八角型を利用して考えたアイデアが、そこから▲9八香!と一手待つ手です。これにより、▲8八角型でありながら上手番となり、▲7七角型とほぼ同じ変化で指すことが出来ます。そして△5五角が香取りになりませんから、▲5六歩ではっきり下手優勢になると思います。
もちろん上手にも様々な手段があるので本テーマ図の定跡手順に進まない可能性もあるのですが、ほとんどの変化で結局角交換にはなり易く、△5五角が上手の切り札になることは多いので、効果はあると思います。また、特に▲9八香を咎める構想も見つからないように思いますが如何でしょうか。

試してみた結果は

実はプロ棋士との指導対局でこれを試したことがあります。正確には、▲9八香を指したタイミングや形が上記とは微妙に異なりますが、ほぼ同様の考え方です。上手はそれでも△5五角と打ってきましたので、▲9八香が働いた展開となりました。
感想戦では、「▲9八香は指された時意味が分からなかったんですけど、角交換した時に香取りにならないという事だったんですね。なるほど、後で困りました。」とのコメントでした。

ということで一応あり得る手なのではないかな、と思っています。
感想やご指摘ありました是非コメント欄でお聞かせ下さい。

脚注

  1. ▲8八角型は、▲7八玉と寄る前に▲7八銀~▲8七銀のルートで銀を動かすことにより、角の一手を省略する。

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