棋譜統計

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解説

右玉戦法は微妙な駒組の違いや手順の違いによって代表的局面が示しにくいため、本図を仮に正調角換り後手右玉の代表的局面とする。 戦法の性質上、本図を経由しない、先後が逆であると言った記述や局面が多くなるのをご了承頂きたい。
正調角換りの後手番の戦法としては、後手右玉は年に数局指されるかどうかであるから、変化球的な戦法であるといえる。

何故変化球的な戦法なのか

森下卓が時折用いる手法ではあるが、佐藤康光は注釈佐藤康光戦記にてあまり有力な戦法とは捉えていないの見解を述べている。[1] 腰掛銀戦法と比べて用いられることが圧倒的に少ないことからも、佐藤康光同様の見解を持つ棋士が多いからだと考えられる。

後手右玉の狙いと予想される進行

後手右玉戦法は徹底待機を図り、先手を手詰まりに追い込むことで、千日手を狙いとしている。 具体的には、本図から△7二玉として△6二金~△5二金を先手が仕掛けるまでひたすら繰り返すのである。△4四銀からの仕掛けも考えられるが右玉が薄く、なかなか成立しないためだ。2002年11月8日第61期A級順位戦▲佐藤康光棋聖・王将 - △森下卓八段の対局で先手から仕掛けられるまで7回往復を繰り返したことからも、辛抱強い指し回しが要求されることが伺える。

先手の対策

先手としては千日手では面白くないので、打開を模索する必要がある。角換り相腰掛銀と異なり、4筋に衝突点がないため、別の構想が求められる。

地下鉄飛車を目指す構想

この構想が試みられたのは1966年1月24日棋聖戦▲米長邦雄 - △中原誠が初であるとされている。[2] ▲6八玉型から参考A図のように組み上げ9筋から攻め込むことを狙いとする。 現在でも有力とされているが、現代の玉の固さを重視する風潮からか、主流にはなっていない。

銀矢倉から仕掛ける構想

参考B図のような駒組からの仕掛けを模索する構想。2002年棋王戦▲佐藤康光九段-△羽生竜王では参考B図から▲5五歩△同歩▲3五歩△同歩▲4五桂△3四銀▲2四歩△4四歩▲2三歩成△同銀▲3三歩と進み先手が勝っている。 結論はでておらず、まだ工夫の余地のある構想ではあるが、銀矢倉から穴熊への組換えて仕掛ける構想がより優れていると見られており、2015年時点ではあまり見られない。

銀矢倉から穴熊に組換えて仕掛ける構想

2015年時点で主流の構想。参考C図のような駒組からの仕掛けを模索する構想。銀矢倉から穴熊への組換えが試みられたのは2002年A級順位戦▲羽生竜王-△森下卓九段が一例であり、参考C図から▲8八銀としたが△4四銀から後手にうまく動かれてしまい後手が勝っている。 ▲8八銀に変えて▲8八金と工夫して組み替えることで後手の動きを抑制し、穴熊の固さを確保したうえでの仕掛けを模索しているのが現状である。

脚注

  1. 注釈佐藤康光戦記p126「相居飛車の後手番には、どうしても先手についていかざるをえない面が多いのですが、それでも右玉のように、ひたすら待つしかないという指し方は選びたくありません」原文ママ
  2. 地下鉄飛車を目指す構想を用いたのは後手の中原誠。本局は地下鉄飛車を目指すことで先手の無理な動きを誘い後手の中原誠が快勝している。

参考データ

本局面が掲載されている棋書

タイトル著者出版社発行掲載ページ局面評価
豊島の将棋 実戦と研究 (マイナビ将棋BOOKS)amz豊島 将之マイナビ201497
注釈 康光戦記 (最強将棋21)amz佐藤 康光浅川書房2004

ソフト評価値

評価値ソフト名確認日最善手確認環境
0GPSfish 0.2.1+r28372015/01/22▲1六歩(17)探索深さ:31/42 探索局面数:672810092

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