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解説

先手居飛車☗5七銀左急戦対後手四間飛車の基本形。後手の次の指し手としては、☖4三銀☖6四歩☖5四歩☖1二香の4つが主要な選択肢であり、後手がどの手を選ぶかにより、先手の作戦が変化する。

後手の指し手と先手の作戦

☖4三銀

☖4三銀は3四の地点を守りつつ上部に手厚くした意味。☗3三角成に対して☖同銀とできなくなることから、角交換をして2筋突破を狙う☗4五歩早仕掛け、また後手の飛車先が止まることで☗4六銀と出られることからナナメ棒銀(左4六銀戦法)が候補となる。
  1. 4五歩早仕掛けを狙いすぐに☗4六歩とするのは、☖5四銀の玉頭銀が有力で後手指しやすい。
  2. すぐに☗4六銀☖5四歩☗3五歩とナナメ棒銀にする手はあるが、難解な形勢となりはっきり先手が良くならない。(☖5四歩は☗4六銀に対して必要となる手)
  3. 先手は☗6八金上の手待ちが有力で、以下☖5四歩なら玉頭銀が無いため☗4六歩から4五歩早仕掛けが成立。(☖5四歩に☗4六銀のナナメ棒銀は☖1二香で不成立)
  4. ☗6八金上に☖6四歩なら、ナナメ棒銀に出て、この交換は先手に得な面がある。

☖6四歩

☖6四歩は高美濃を目指す意味だが、☖6四角のカウンターが無くなるため先手が攻めやすくなる。
  1. ☗3五歩☖同歩☗4六銀の山田定跡が成立する。この変化は先手やや良しとされている。
  2. ☗6八金上と待ち、次に後手が☖5四歩、☖4三銀、☖1二香のどれを指しても、☗3八飛とすれば鷺宮定跡が成立する形に持ち込むことが出来る。

☖5四歩

☖4二角~☖6四角の道を通す意味や、☖5三角の打ち場所を作る意味があるが、☗3一角の打ち込みが生じたり、終盤に角で7一を狙われる筋が発生するなどのデメリットもある。
  1. 山田定跡は、☖5三角の返し技があるため不成立。
  2. ☗6八金上から鷺宮定跡の仕掛けを目指すのも、☖1二香☗3八飛☖4三銀で、仕掛けが成立しない形に誘導される。
  3. ☗9七角の山田流端角定跡が有力な手段となる。

☖1二香

角のラインの緩和の意味。後手の最善手と言われている。☗2三歩成のような手が香車にあたってくる。
  1. 山田定跡の仕掛けは、☗5五角で玉の小鬢を狙う筋があるため仕掛けとして成立する。しかし、定跡手順中☖3四銀とかわす手が平成6年に発見され、この手で後手も互角に戦える。
  2. ☗6八金上には☖5四歩と待たれるため鷺宮定跡が成立しない。
  3. すぐに☗3八飛と寄る新鷺宮定跡の仕掛けが有力。☖4三銀または☖5四歩には☗3五歩の仕掛けが成立。☖6四歩の場合は、☗3五歩が成立しないため注意が必要だが、そこで☗6八金上とすれば鷺宮定跡に戻すことが出来る。

なお、これらのいずれの手に対しても、先手からの棒銀は有力である。
また他にも、準急戦として5筋位取りなどの作戦もある。

先手の作戦別のまとめ

鷺宮定跡☗3五歩の仕掛けとその成立条件

鷺宮定跡は上図から有力な四間飛車急戦定跡の1つである。他の四間飛車急戦とは違い、2筋突破ではなく3筋突破を狙う戦法で、☗3八飛~☗4六銀~☗3五歩の手順が特徴的である。鷺宮定跡のポイントは下記のとおり。
  1. ☗3三角成に対して☖同桂か☖同銀か。
  2. ☖6四角のカウンターが成立するか。
  3. ☖6四角~☖4二角の受けができるか。
  4. ☗3三角の打ち込みが成立するか。
☗3五歩の仕掛けの成否は、仕掛けまでに後手が指す☖4三銀・☖6四歩・☖5四歩・☖1二香の組み合わせで変わる。
☗6八金型
先手が☗6八金上を指す形では、仕掛けまでに後手は3手指すことになる。すなわち全部で4通りの組み合わせがあり、仕掛けの成否は次の通り[1]
☖4三銀・☖5四歩・☖1二香型(つまり☖6四歩が突いてない場合)のみ成立しないため注意が必要である。
☗6九金型(新鷺宮定跡)
☗6八金上を指さずにすぐに☗3八飛から仕掛ける形。この場合、後手は2手だけ指すため陣形は全部で6通りの組み合わせとなるが、そのうち☖6四歩・☖5四歩型および☖4三銀・☖6四歩型は☗6八金型で成立していた条件から☖1二香を除いた形になるため、さらに条件が良いことから当然成立する。残る4通りの組み合わせに対する成否は次の通り。
☗6八金型と異なり、☖6四歩が指されている場合に成立しない点に注意が必要である。☖6四歩・☖1二香型になった場合は、そこで☗6八金上と手待ちするのが有力となる。
【参考動画】
四間飛車側(後手)の思考
定跡中における振り飛車側からの主な反撃手段は、☖6四角、☖4九角、☖2七角の3つ。
もし鷺宮定跡の仕掛けを振り飛車側が嫌った場合、この上図にならないよう、
  1. 早めに☖4三銀型にする。
  2. ☗4六銀とされる前に、☖4五歩から角交換を狙う。
  3. ☖7四歩から手待ちする。
  4. ☖6四歩~☖6五歩と手待ちする。
等の変化が考えられる。

脚注

  1. 当然のことだが、「成立」となっていても「簡単に居飛車良しになる」という意味ではないので、対局の際にはしっかりとした事前研究が必要である。
  2. 「局面ペディア」管理人のHIDETCHI氏による解説動画。「鷺宮定跡☗3五歩の仕掛けの成否」の表が、分かりやすく解説されている。

参考データ

本局面が掲載されている棋書

タイトル著者出版社発行掲載ページ局面評価
羽生の頭脳1 四間飛車破り (将棋連盟文庫)amz羽生 善治毎コミ201060
将棋の教科書 対振り急戦amz阿久津 主税マイナビ201236
四間飛車の急所〈1〉 (最強将棋21)amz藤井 猛浅川書房200310

ソフト評価値

評価値ソフト名確認日最善手確認環境
0GPSfish 0.2.1+r28372015/1/16△4三銀(32)探索深さ 28/43 探索局面数 677324766
91YaneuraOu 4.70 / elmo-wcsc272017/06/23△4三銀探索深さ 32/48 探索局面数 4862146910

本局面を解説内で参照している他の局面

三間飛車対向かい飛車


  
     
 
         
        
       
        
 


注目指数 382
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