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解説

横歩取り△3三角戦法の△8四飛型において、先手が▲3八銀型(▲3八金型もある)を選び、後手が5二玉型の中原囲い(△6二銀・△5一金型)に構えた局面。本局面は2011年以降プロの間で頻繁に出現している[1]

局面の特徴

▲3八銀型

▲3八銀型のメリットは、一手で先手右辺の陣形を引き締めることができ、すぐに▲3六歩を突いた駒組みが可能になることである。デメリットとしては、▲3八金型と比べると玉頭が薄いことが挙げられる。

中原囲い(△6二銀・△5一金型)

一般的に一段金と二段金では一段金のほうが飛車の打ち込みには強いとされるが、中原囲いも△6二銀・△7二金型の金開きに比べて一段目に飛車を打たれた終盤での玉の安全度が高いという特徴がある[2] 。金開きも中原囲いも後手の右側の金銀にかける手数はそれぞれに1手ずつで合計2手で同じである。手数が同じならば一段目の飛車打ちに強い方の囲いが選ばれるのは玉の安全度を重視する現代将棋では当然の傾向と言える。

進行例

▲3六歩△8六歩▲同歩△同飛▲3五歩△8五飛が一例。
▲3六歩は、後手の角頭を狙いつつ右桂の活用を図る手である。ただし▲3六歩を突いた瞬間は飛車の横利きが止まるので、△8六歩と7六の歩を狙った攻めを仕掛けることができる。▲3五歩と飛車の横利きが通る好形に復活させれば受かるが、次は△8五飛で突いた▲3五歩が狙われることになる[3]
以降先手は▲3七桂から桂馬を攻めに使う展開や、▲3七銀と上がり2、3筋の勢力圏を確保しにいく展開が考えられる。
その他△8六歩に代えて、△1四歩や△9四歩と先手の手を見てから指し方を決める戦術もあり[4] 、プロの実戦例[5] も存在する。

脚注

  1. 5二玉型の中原囲いは△8五飛戦法の流行の中でその優秀性が認められた形だが、それが△8四飛型にも波及し、結果として旧型である△8四飛・△5二玉型が見直されるきっかけとなった。
  2. 第40期棋王戦第1局 渡辺棋王 vs 羽生名人戦(2015/2/11)で現れた本局面について、屋敷伸之は「初めて見る方には奇妙な形に見えるかもしれませんが意外に堅い。」「以前は△7二金~△6二銀と金開きにすることが多かったが、下段に飛車を打たれると弱い形。」と述べている。
  3. 村田顕弘著『現代横歩取りのすべて』p50,p63
  4. 村田顕弘著『現代横歩取りのすべて』p63
  5. 第40期棋王戦第1局 渡辺棋王 vs 羽生名人戦(2015/2/11)

参考データ

有名局

先手後手棋戦対局日勝敗コメントリンク
渡辺明羽生善治第40期棋王戦2015/02/11先手勝棋譜

本局面が掲載されている棋書

タイトル著者出版社発行掲載ページ局面評価
現代横歩取りのすべて (マイナビ将棋BOOKS)amz村田 顕弘マイナビ2014p62

ソフト評価値

評価値ソフト名確認日最善手確認環境
+222GPSfish 0.2.1+r28372015/02/12▲3六歩探索深さ:24/47 探索局面:1925202992

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