Hidetchiさんの投稿 (2016年11月12日 20時27分)
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{{Conclusion|先手良し}} | |
角換り相腰掛け銀の先後同型基本図。この局面から☗4五歩と仕掛ける変化が長年研究されているが、富岡流という先手良しの変化があるため、現在は後手が同型を避ける傾向にある。 | |
最近では第27期竜王戦第3局(糸谷-森内)<ref>[http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/27/ryuou201411060101.html 竜王戦棋譜中継サイト]</ref>でこの形が再び表れ、後手を持った森内竜王がこの局面に進めたことで話題となった。この対局では、中田流と呼ばれる反撃手段を後手が採用し勝利。<br>今後も、後手の対抗手段に注目が集まる局面である。 | |
==各種の変化== | |
===木村定跡との関係=== | |
本局面から☗8八玉[[+7988OU-3122OU|☖2二玉]]と双方が入城した形は、そこで☗4五歩と仕掛ける「木村定跡」により、先手勝ちの結論まで研究が終わっている。ただし、☗8八玉に対して後手がすぐに☖6五歩と仕掛ければ、木村定跡と同様の手順でやはり後手が勝ち易い(☖6九角を打つことが出来る)。 従って、先手は本局面から☗8八玉と入城することは出来ず、☗4五歩からの仕掛けが本線となる。 | |
===4五歩の仕掛け=== | |
現在有力とされる攻め筋は、☗4五歩☖同歩☗2四歩☖同歩☗1五歩☖同歩☗7五歩☖同歩[[l5knl/1r2g1g2/2n1p1s2/p2ps1pp1/1pp2pP1p/P2PS4/1PS1P1N2/2G1G2R1/LNK5L w Bb4p|☗3五歩]]。連続して歩を突き捨て、☗7四歩の狙いを含みにして手を作る。歩を突き捨てる順番は、4→2→1→7→3筋が最も安全で、他の順番だと途中で後手から☖6五歩と反撃する選択肢を与える。<br> | |
- | ☖4四銀☗2四飛☖2三歩☗2九飛☖6三金☗1二歩☖同香☗3四歩と進め、☖3八角☗3九飛☖2七角成☗1一角☖2八馬に、[[l5kn1/1r4g1l/2ngp2p1/p2ps+BP2/1pp2p2p/P2PS4/1PS1P1N2/2G1G2+b1/LNK3R1L w SP4p|☗4四角成]]と飛車を見捨てる。以下☖3九馬に☗2二歩☖同金☗3三銀が富岡流と呼ばれる攻め筋。際どい変化もあるが、先手勝ちと結論付けられている。代表局としては、第81期棋聖戦五番勝負第1局(羽生-深浦・2010年6月)<ref>[http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/kisei20100608.html 棋聖戦棋譜中継サイト]</ref>などがあげられる。 |
+ | ☖4四銀☗2四飛☖2三歩☗2九飛☖6三金☗1二歩☖同香☗3四歩と進め、☖3八角☗3九飛☖2七角成☗1一角☖2八馬に、[[l5kn1/1r4g1l/2ngp2p1/p2ps+BP2/1pp2p2p/P2PS4/1PS1P1N2/2G1G2+b1/LNK3R1L w SP4p|☗4四角成]]と飛車を見捨てる。以下☖3九馬に☗2二歩☖同金[[l5kn1/1r5gl/2ngp1Sp1/p2ps+BP2/1pp2p2p/P2PS4/1PS1P1N2/2G1G4/LNK3+b1L w r5p|☗3三銀]]が富岡流と呼ばれる攻め筋。際どい変化もあるが、先手勝ちと結論付けられている。代表局としては、第81期棋聖戦五番勝負第1局(羽生-深浦・2010年6月)<ref>[http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/kisei20100608.html 棋聖戦棋譜中継サイト]</ref>などがあげられる。 |
富岡流以外では、☖4四銀☗2四飛☖2三歩に☗2六飛と浮き飛車になる形も指されている。富岡流ほど明快ではないが、先手有利と見られている。代表局には、平成21年の王位戦第5局(深浦-木村一基・2009年8月)<ref>[http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=67153 将棋の棋譜でーたべーす]</ref>がある。 | |
{{FamousGame|糸谷|森内|2014/11|第27期竜王戦第3局|1|先手良しと見られていた本局面を後手が選択し勝利|http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/27/ryuou201411060101.html}} | |
{{FamousGame|羽生|深浦|2010/6|第81期棋聖戦第1局|0|富岡流の一局|http://live.shogi.or.jp/kisei/kifu/kisei20100608.html}} | |
{{FamousGame|深浦|木村一基|2009/8|王位戦第5局|0|☗2六飛の一局|http://wiki.optus.nu/shogi/index.php?cmd=kif&cmds=display2&kid=67153}} | |
{{Book|4-89563-607-0|136|評価無し(基本図)}} | |
{{Book|4-83993-637-4|103|}} | |
{{Book|4-83993-080-5|8|}} | |
{{Book|4-83995-305-8|18|}} | |
{{Book|4-8399-5015-6|P.18 基本図|}} | |
{{Book|4-8399-3985-3|58|}} | |
{{Resemble|l5knl/1r2g1g2/2n1p1sp1/ppppspp1p/7P1/P1PPSPP1P/1PS1P1N2/2G1G2R1/LNK5L b Bb|一手損角換りで、☖8五歩が突かれていない形。☖8五桂の余地があるため同じ攻め筋が利かない。}} | |
{{ComEval|+117|GPSfish 0.2.1+r2837|2015/1/14|▲4五歩(46)|探索深さ 25/43 探索局面数 241078930}} |
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作成記事
戦型: 角換り相腰掛銀 先後同型
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△ 角 |
| ▲ 角 |
解説
角換り相腰掛け銀の先後同型基本図。この局面から☗4五歩と仕掛ける変化が長年研究されているが、富岡流という先手良しの変化があるため、現在は後手が同型を避ける傾向にある。
最近では第27期竜王戦第3局(糸谷-森内)[1] でこの形が再び表れ、後手を持った森内竜王がこの局面に進めたことで話題となった。この対局では、中田流と呼ばれる反撃手段を後手が採用し勝利。
今後も、後手の対抗手段に注目が集まる局面である。
今後も、後手の対抗手段に注目が集まる局面である。
各種の変化
木村定跡との関係
本局面から☗8八玉☖2二玉と双方が入城した形は、そこで☗4五歩と仕掛ける「木村定跡」により、先手勝ちの結論まで研究が終わっている。ただし、☗8八玉に対して後手がすぐに☖6五歩と仕掛ければ、木村定跡と同様の手順でやはり後手が勝ち易い(☖6九角を打つことが出来る)。 従って、先手は本局面から☗8八玉と入城することは出来ず、☗4五歩からの仕掛けが本線となる。
4五歩の仕掛け
現在有力とされる攻め筋は、☗4五歩☖同歩☗2四歩☖同歩☗1五歩☖同歩☗7五歩☖同歩☗3五歩。連続して歩を突き捨て、☗7四歩の狙いを含みにして手を作る。歩を突き捨てる順番は、4→2→1→7→3筋が最も安全で、他の順番だと途中で後手から☖6五歩と反撃する選択肢を与える。
☖4四銀☗2四飛☖2三歩☗2九飛☖6三金☗1二歩☖同香☗3四歩と進め、☖3八角☗3九飛☖2七角成☗1一角☖2八馬に、☗4四角成と飛車を見捨てる。以下☖3九馬に☗2二歩☖同金☗3三銀が富岡流と呼ばれる攻め筋。際どい変化もあるが、先手勝ちと結論付けられている。代表局としては、第81期棋聖戦五番勝負第1局(羽生-深浦・2010年6月)[2] などがあげられる。
☖4四銀☗2四飛☖2三歩☗2九飛☖6三金☗1二歩☖同香☗3四歩と進め、☖3八角☗3九飛☖2七角成☗1一角☖2八馬に、☗4四角成と飛車を見捨てる。以下☖3九馬に☗2二歩☖同金☗3三銀が富岡流と呼ばれる攻め筋。際どい変化もあるが、先手勝ちと結論付けられている。代表局としては、第81期棋聖戦五番勝負第1局(羽生-深浦・2010年6月)[2] などがあげられる。
富岡流以外では、☖4四銀☗2四飛☖2三歩に☗2六飛と浮き飛車になる形も指されている。富岡流ほど明快ではないが、先手有利と見られている。代表局には、平成21年の王位戦第5局(深浦-木村一基・2009年8月)[3] がある。
脚注
参考データ
有名局
先手 | 後手 | 棋戦 | 対局日 | 勝敗 | コメント | リンク |
---|---|---|---|---|---|---|
糸谷 | 森内 | 第27期竜王戦第3局 | 2014/11 | 後手勝 | 先手良しと見られていた本局面を後手が選択し勝利 | 棋譜 |
羽生 | 深浦 | 第81期棋聖戦第1局 | 2010/6 | 先手勝 | 富岡流の一局 | 棋譜 |
深浦 | 木村一基 | 王位戦第5局 | 2009/8 | 先手勝 | ☗2六飛の一局 | 棋譜 |
本局面が掲載されている棋書
タイトル | 著者 | 出版社 | 発行 | 掲載ページ | 局面評価 | |
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角換わり腰掛け銀研究 | amz | 島 朗 | 毎コミ | 1994 | 136 | 評価無し(基本図) |
羽生の頭脳4 角換わり・ヒネリ飛車 | amz | 羽生 善治 | 毎コミ | 2010 | 103 | |
マイコミ将棋BOOKS アマの知らない最新定跡 | amz | 村山 慈明 | 毎コミ | 2008 | 8 | |
中村太地の角換わり 最先端への道案内 (マイナビ将棋BOOKS) | amz | 中村 太地 | マイナビ | 2014 | 18 | |
これからの角換わり腰掛け銀 (マイナビ将棋BOOKS) | amz | 吉田 正和 | マイナビ | 2014 | P.18 基本図 | |
マイコミ将棋BOOKS よくわかる角換わり | amz | 西尾 明 | 毎コミ | 2011 | 58 |
ソフト評価値
評価値 | ソフト名 | 確認日 | 最善手 | 確認環境 |
---|---|---|---|---|
+117 | GPSfish 0.2.1+r2837 | 2015/1/14 | ▲4五歩(46) | 探索深さ 25/43 探索局面数 241078930 |
類似局面
変化点 | リンク |
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一手損角換りで、☖8五歩が突かれていない形。☖8五桂の余地があるため同じ攻め筋が利かない。 | Go |