toitoさんの投稿 (2015年01月30日 23時55分)

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+==解説==
+矢倉模様の駒組みから△5三銀右と上がった局面。後手は矢倉の組み合いではなく急戦を志向している。もともとこの局面自体はプロでもある程度の人気のある作戦だったが、近年指されている手順が阿久津主税によって創案されたことから「阿久津流5三銀右急戦」と呼ばれている。あるいは「5三銀右急戦」とも称される。2008年第21期竜王戦七番勝負第6局、第7局において、渡辺明が連採したことで注目を浴びた
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+(2)▲5七銀右は中央を厚くして備えた手。反面、角を使いづらくなるマイナスもある。対して後手は△5五歩とはせずに、△5二金と上がり駒組みに戻る。先後ともに角を使いにくくなっているものの、後手は矢倉ではなく雁木に組むことでその点を緩和できる。代表的な将棋としては2013年第61期王座戦五番勝負第2局▲羽生善治-△中村太地六段戦がある
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+(3)▲7七銀と上がるのも有力な局面に進めることができるが、矢倉にする際の手順として、5手目▲6六歩ではなく▲7七銀の着手をしてその局面に合流することの方が多い。ただし5手目▲7七銀自体が少なくなっているため、その局面も減少傾向にある<ref>[[lnsgkgsnl/1r5b1/p1pppp1pp/1p4p2/9/2P6/PP1PPPPPP/1B1S3R1/LN1GKGSNL b -|相矢倉5手目の葛藤]]</ref>。
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+===結論===
+現段階では結論は出ていない。2015年1月現在、最新であろう畠山鎮著『これからの相矢倉』では「これからの将棋」とされている。
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+===現状===
+2015年1月現在、プロ棋戦でも指されている。
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+===類似の仕掛け===
+阿部健治郎は△5三銀右に代えて△8五歩▲7七銀△5五歩と2手早く仕掛ける将棋を指している。
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戦型: 後手急戦矢倉  [局面ページに移動]


   
     
   
     
         
      
  
    
    


解説

解説

矢倉模様の駒組みから△5三銀右と上がった局面。後手は矢倉の組み合いではなく急戦を志向している。もともとこの局面自体はプロでもある程度の人気のある作戦だったが、近年指されている手順が阿久津主税によって創案されたことから「阿久津流5三銀右急戦」と呼ばれている。あるいは「5三銀右急戦」とも称される。2008年第21期竜王戦七番勝負第6局、第7局において、渡辺明が連採したことで注目を浴びた [1] [2]

主な狙い

後手は△8五歩▲7七銀△5五歩と飛車先を決めて中央から動いていく。以下▲同歩△同角と中央で歩を交換し△5四銀と上がることができれば、後手番ながら主導権を持って指し進めることができる。
なおここで単に△5五歩と突くことはできない。▲6五歩△5六歩▲2二角成△同金▲5五角が飛車金両取りになってしまうためである。

候補手

先手の候補手は(1)▲2六歩、(2)▲5七銀右、(3)▲7七銀があげられる。
▲2六歩
(1)▲2六歩は急戦に対して飛車先を伸ばす自然な一着で、もっとも多い指し方である。△8五歩に▲7七銀△5五歩▲同歩△同角▲7九角△7三角▲4六角△6四銀▲7五歩△8四飛▲7四歩△同飛▲5六歩△3一玉が一例( 34手目△3一玉まで)。▲7七銀か▲7九角に代えて▲2五歩と突く手や、▲7五歩に代えて▲6八角と引く手など、有力な手順は多い。
前述の2008年第21期竜王戦七番勝負第6局、第7局では、ともにこの▲2六歩を採用している。
▲5七銀右
(2)▲5七銀右は中央を厚くして備えた手。反面、角を使いづらくなるマイナスもある。対して後手は△5五歩とはせずに、△5二金と上がり駒組みに戻る。先後ともに角を使いにくくなっているものの、後手は矢倉ではなく雁木に組むことでその点を緩和できる。代表的な将棋としては2013年第61期王座戦五番勝負第2局▲羽生善治-△中村太地六段戦がある [3] 。後手が矢倉に組む場合は△3一角~△6四銀~△7五歩の攻めを主軸とする。
▲7七銀
(3)▲7七銀と上がるのも有力な局面に進めることができるが、矢倉にする際の手順として、5手目▲6六歩ではなく▲7七銀の着手をしてその局面に合流することの方が多い。ただし5手目▲7七銀自体が少なくなっているため、その局面も減少傾向にある[4]

結論

現段階では結論は出ていない。2015年1月現在、最新であろう畠山鎮著『これからの相矢倉』では「これからの将棋」とされている。

現状

2015年1月現在、プロ棋戦でも指されている。

類似の仕掛け

阿部健治郎は△5三銀右に代えて△8五歩▲7七銀△5五歩と2手早く仕掛ける将棋を指している。

脚注

  1. 2008年第21期竜王戦七番勝負第6局▲羽生善治名人-△渡辺明竜王 http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/21/081210-h.html
  2. 2008年第21期竜王戦七番勝負第7局▲羽生善治名人-△渡辺明竜王 http://live.shogi.or.jp/ryuou/kifu/21/081217-h.html
  3. 2013年第61期王座戦五番勝負第2局▲羽生善治王座-△中村太地六段 http://live.shogi.or.jp/ouza/kifu/61/ouza201309180101.html
  4. 相矢倉5手目の葛藤

参考データ

有名局

先手後手棋戦対局日勝敗コメントリンク
羽生善治名人渡辺明竜王第21期竜王戦七番勝負第6局2008年12月10日~11日後手勝ち脚注1棋譜
羽生善治名人渡辺明竜王第21期竜王戦七番勝負第7局2008年12月17日~18日後手勝ち脚注2棋譜
羽生善治王座中村太地六段第61期王座戦五番勝負第2局2013年9月18日先手勝ち脚注3棋譜

本局面が掲載されている棋書

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